こんにちは。アオイです。
ピッチャーにとって肩の痛みはつきものですが、野手でも送球やバッティングで肩を痛めることはあります。
練習や試合で投げられなくなるほどの痛みに悩んだ経験はありませんか?
「ちょっとした疲労だろう」「そのうち治るだろう」と思って投げ続けると、実は大きなケガにつながってしまうことも…。
今回は、肩の痛みが起こる代表的な原因と、その対処法についてまとめてみました。
正しく知って、日々のケアに取り入れていきましょう。
執筆者&監修者の紹介
執筆者:野球素人ママ「アオイ」
◇30代、ワーママ(子どもは小学校低学年の男の子1人)
◇趣味は「子ども」と「仕事」。平日はとっても忙しい!
◇野球は全くの素人!(学生時代はテニス部)
インタビュー・監修:野球指導者パパ「ケンスケ」
◇30代、全年齢対象の野球パーソナルトレーナー!指導歴は10年以上
◇小学3年生から野球を始め、現在も草野球プレイヤー
◇過去には学習塾の先生をやっていたこともあるため教え方はピカイチ!
◇かなりコアな知識まで豊富な野球オタク
肩の痛みを引き起こす4つの主な原因

ひとことに「肩が痛い」といっても、その原因は人によってさまざまです。
投げすぎによる疲労の蓄積、フォームの崩れ、筋力や柔軟性の不足など…実は小さな積み重ねが大きなケガにつながることもあります。
ここでは、特に投手に多い「肩の痛みを招く4つの主な原因」と、それぞれの対処法を紹介します。
自分のケースに当てはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。
原因1:投球過多(投げすぎ)
投手に多い原因の一つは“投げすぎ”。
もちろん野手でも、送球やバッティング練習を連日続けると肩に負担がかかります。
一生懸命に練習を重ねるのは素晴らしいことですが、投球数が多すぎたり、休養を取らずに連投を続けてしまうと、筋肉や腱に疲労が蓄積し、炎症や痛みにつながってしまいます。
対処法
連投や過度な投げ込みは避け、投球翌日はノースローにするなど1週間の球数にも気を付けましょう。
アメリカのリトルリーグでは、14歳以下の投手に以下のような投球制限を設けています。
・1日に66球以上の投球をした場合、4日間の休息が必要。
・1日に51~65球の投球をした場合、3日間の休息が必要。
・1日に36~50球の投球をした場合、2日間の休息が必要。
・1日に21~35球の投球をした場合、1日間の休息が必要。
・1日に1~20球の投球をした場合、休息日は必要ない。
原因2:フォームの問題
投球フォームの崩れは肩への負担を増やします。
野手も投げ方やバッティングフォームによって肩に負荷がかかることがあります。
特に「肘が下がる」「体の開きが早い」といった動作は、知らず知らずのうちに肩周りの筋肉へ余計なストレスを与え、痛みの原因となってしまいます。
肘の位置が低い
肩のラインよりも肘が下がっているフォームで投げている場合、押し出すような形となり上腕や肩に余計な負荷がかかってしまいます。
体の開きが早い
リリースの前に体が開いてしまうと、腕力に頼ったフォームになってしまい肩周りの筋肉に負担がかかってしまいます。
対処法
自分の投球フォームを動画撮影していろいろな角度から確認し、シャドウピッチングや軽いキャッチボールでフォームの修正を行います。
自分で判断ができない場合は信頼できる指導者などに練習方法を確認してみましょう。
👉過去記事でも紹介した ABC動作解析 を使えば、自分の投球フォームを客観的に数値でチェックでき、効率よく改善につなげられます。
原因3:筋力・柔軟性不足
肩や胸の筋肉が硬いと、投球動作に必要な可動域が狭まり、無理なフォームになってしまいます。
柔軟性を欠いた状態で投げ続けると、肩だけでなく肘や腰など他の部位にも影響が出やすくなります。
対処法
練習前には筋肉を暖める動的ストレッチとウォーミングアップの軽い運動、練習後には静的ストレッチを欠かさず行い、柔軟性を高めておきましょう。
原因4:筋力不足
「投球フォームも悪くないし、柔軟性もあるのに肩が痛い…」という場合は、単純に筋力不足が原因のこともあります。
特に肩甲骨まわりやインナーマッスル(腕の内側にある小さな筋肉)が弱いと、投球時の負荷が肩関節に集中し、結果的に痛みを引き起こしてしまいます。
対処法
軽めのダンベルで肩甲骨、胸筋を鍛えるトレーニングを行います。
筋肉痛がある場合は休養し、数日後に再開することで超回復により筋肉量をアップできます。
※「ただの筋肉痛」と思って続けると、腱板損傷や関節唇損傷など重症化することがあります。違和感の時点で休むこと、毎日のケアが最大の予防です。
肩が痛くて投げられない!こんなときはどうすれば良い?

「肩が痛いのに投げてしまう」のは、ケガを長引かせる一番の原因です。
ここでは、痛みが出たときの正しい対処法をステップごとに紹介します。
まずは安静に…
痛みを感じるときは、無理に投げず休養に専念しましょう。
投球だけでなく野手の送球やキャッチボール、場合によってはバッティング練習も行わないほうが良いでしょう。
もし痛みが長引く場合は、整形外科でレントゲンなどの診断を受けてください。
アイシング
鈍い痛みが続くうちは、10〜15分程度のアイシングを1日数回行いましょう。
投球後に毎回アイシングを取り入れることで、疲労回復と炎症の予防にもつながります。
リハビリ運動
痛みが軽減してきたら、徐々にリハビリを始めましょう。
ストレッチで柔軟性を高めつつ、軽い負荷をかけた筋力トレーニングでインナーマッスルを強化します。
肩甲骨や胸骨を中心にストレッチを1日数回行い、筋トレは軽いダンベルを使用したり自重での腕立て伏せなどが効果的です。
徐々に投球を再開!
完全に痛みがなくなったら、軽いキャッチボールから再開します。
そこから少しずつ距離を延ばし、ピッチングにつなげていきましょう。
ただし、キャッチボール中に違和感が出た場合はすぐに中断し、痛みがなくなるまで再び休養とトレーニングに戻ることが大切です。
まとめ
肩の痛みには、投球過多やフォームの崩れ、筋力・柔軟性不足など、投手に特に多い原因があります。
野手でも送球やバッティングで負担がかかることがあるため注意が必要です。
放置してしまうと、腱板損傷や関節唇損傷といった長期離脱につながるケガへと発展する可能性も…。
ポイント
◎ 痛みがあるときはまず休養
◎ 適切なストレッチや筋力トレーニングで予防
◎ フォームを見直し、投球数をコントロールする
この3つを意識するだけでも、肩への負担はぐっと減らせます。
「ただの筋肉痛だから」と我慢せず、早めにケアを行うことが、長く野球を楽しむための第一歩です。